2024.08.17
8月
雑節・歴注・撰日

令和6年(2024)8月24日「京都、地蔵ぼん」です。

■8月24日「京都、地蔵ぼん』です。■

「地蔵盆(じぞうぼん)」は、地蔵菩薩(じぞうぼさつ)の縁日のことで、もともと「地蔵会(じぞうえ)」「地蔵祭(じぞうさい)」と呼ばれていましたが、24日が「裏盆(うらぼん)」〔※〕にあたることから、「盂蘭盆(うらぼん)」に因んで「地蔵盆」と呼ばれるようになりました。旧暦で盂蘭盆行事をする地方では旧暦24日が地蔵盆になります。

正確には、地蔵盆は、「道祖神(どうそじん)信仰」と結びついた路傍あるいは街角の辻に立つ「地蔵(お地蔵さま)」が対象です。寺院の中に祀られている地蔵菩薩を対象としてはいませんが、いつしか混交して同一視されるようになりました。

「地蔵菩薩」は中近世以降、子どもの守り神として信仰されました。地蔵菩薩は、親よりも先に亡くなった子どもが「賽の河原(さいのかわら=親不孝の報いで苦を受ける場)」で苦しんでいるのを救うとされています。

お地蔵さまのある町内ではこの日、お地蔵さまを洗い清め、新しい前垂れを着せ、化粧をするなどして飾り付け、お地蔵さまの前に集って灯籠を立てたり、お供え物をして祀ります。

子どもたちは供養の菓子や手料理などを振舞われます。お地蔵さん巡りをして、お接待を受けることも。僧による読経が行われるところもあります。

「数珠繰り(じゅずくり)」または「数珠まわし」は、輪の直径3~5mの大きな数珠を囲んで座り、南無阿弥陀仏を唱えながら順に回していく儀式です。回す回数は108回。人間の煩悩と同じ数です。自分のところに大きな房や珠の部分が回ってきたら一礼します。もともとは浄土宗の「百万遍念珠繰り(ひゃくまんべんねんじゅくり)」から来ていますが地域信仰として広がり、「百万遍さん」と呼ばれ、宗教・宗派に関係なく親しまれている行事です。

京都では、子どもが生まれるとその子の名前を書いた提灯を奉納する風習があります。女の子は赤い提灯、男の子は白い提灯で、その子が地蔵盆に参加しているあいだ毎年飾ります。

※裏盆(うらぼん):「盂蘭盆(うらぼん)」の終わりのことを「裏盆」といいます。お盆とは13日~16日。七月盆、八月盆とありますが、お盆の終わりと言えば16日です。裏盆の時期も16日、20日、24日、27日など地域ごとにまちまちです。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

地蔵盆は西日本で盛んです。関東や東北では、道祖神やお地蔵さまが比較的少なく、地蔵盆はそれほど盛んではないようです。
地域や習慣は違っても、子どもの成長を願う親心に古今東西変わりはないようです。近年、親が子どもを虐待する報道をしばしば耳にするようになりました。子どもに接するときは慈愛の心をもちたいものです。
筆者敬白

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