2024.08.10
8月

令和6年(2024)8月17日 滋賀、建部大社「船幸祭(せんこうさい)」です。

■8月17日 滋賀、建部大社「船幸祭(せんこうさい)」です。■

近江国一宮「建部大社(たけべたいしゃ)」は、長い歴史と由緒を持つ全国屈指の古社です。社格は、式内社(名神大)、旧官幣大社(現、神社本庁の別表神社)。

古くから歴代朝廷の尊信篤く、また武将たちの崇敬も深く集めました。特に平安時代末、源頼朝が平治の乱に敗れて伊豆国に流される道中、建部大社に立ち寄って源氏再興の祈願をし、後に大願成就したことから、出世開運の神として、武運来運の神として信仰を集めました。

主祭神「日本武尊(やまとたけるのみこと)」を正殿に祀り、権殿に大神神社より勧請の「大己貴命(おおなむちのみこと)」を祀ります。

景行天皇46年(116)神崎郡建部郷に、景行天皇の皇子である日本武尊を建部大神として祀ったのが始まりと伝わります。

毎年8月17日に行われる夏祭り「船幸祭(せんこうさい)」では、重さ1.5tもある「大神輿」を御座船(ござぶね)に乗せて瀬田川を下ります。これは、日本武尊の東征故事に拠るもので、日吉大社の「山王祭」(春祭)、天孫神社の「大津祭」(秋祭)と共に、大津三大祭のひとつとなっています。

船幸祭は、瀬田川を海路に見立て船渡御が再現されます。大神輿を載せた御座船を先頭に、船団は約4キロ下流の御旅所がある、黒津浜の供御の瀬(くごのせ)へと向かいます。
到着後、古式の則って別宮の毛知比神社(もちひじんじゃ)・新宮の新茂智神社(しんもちじんじゃ)から神饌(しんせん:「御饌(みけ)」とも。神さまに献上するお食事)が献じられます。ライトアップされた光が川面に映り、幻想的な夕暮れのなか御旅所祭が厳粛に執り行われます。

再び船団は帰路瀬田浜へと向かい、唐橋に近付くころ夜空に花火が打ち上げられます。大神輿の動きに合わせ打ち上げられる花火がみどころです。

建部大社
◇滋賀県大津市神領1丁目16-1
◇京阪電車「唐橋前駅」徒歩10分
◇JR琵琶湖線「石山駅」からバス「建部大社前」下車
◇名神高速「瀬田西IC」「瀬田東IC」より5分
◇公式サイト:http://takebetaisha.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

『日本書記』の日本武尊(ヤマトタケル)で有名な「建部神社」の夏祭り「船幸祭」です。船団を仕立てて、これから東征に向かう姿を再現しています。国内では神話に則った数少ない船上祭です。神輿が船で渡御するという形式には、琵琶湖や瀬田川の水を尊び水の恵みに感謝する古来からの素村な信仰のあり方があらわれています。
観光にお出かけの方は、熱中症対策に飲料水に帽子を、忘れずにお持ち下さい。

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