■令和6年(2024)8月7日「立秋(りっしゅう)」です。■
8月7日9時09分「立秋」です。旧暦7月、申(さる)の月の正節で、天文学的には太陽が黄経135度の点を通過するときをいいます。
この日から暦の上では「秋」になりますが、まだまだ残暑は厳しく、平均気温はピークに達します。一年の中で最も暑い時期といえます。
「そよりともせいで秋たつことかいの」上島鬼貫
◆真夏日◆日中の最高気温が30度を超えた日が真夏日です。蒸し暑く、多くの人が不快感を感じる気温です。近年では、群馬県館林市や埼玉県熊谷市など内陸部や盆地で最高気温の更新が続いています。
◆熱帯夜◆最低気温が25度以上ある夜が熱帯夜です。とても蒸し暑く、就寝しても不快感を感じて深い睡眠がとれないことがあります。
それでも空を見上げると、秋の「巻雲(けんうん)」が、心なしか高いところに見え始め、雲の色や形、風のそよぎに「秋の気配」が感じられるようになります。山間部など内陸では霧が発生することがあります。
秋は移動性高気圧に覆われる日が多く、日中晴れて風の強い夜には「放射冷却現象」による霧が発生します。気温が下がれば空気中の水蒸気が結露し始め、霧が発生します。霧は秋の季節の風物詩といえます。
公園や林でヒグラシが鳴き始めるのは、この頃です。ヒグラシは、早朝と夕方に鳴きますが、薄暗い日中に鳴くこともあります。「カナカナ」と鳴くことから、カナカナとも呼ばれます。
「立秋」は「秋立つ」「秋来る」などとともに、代表的な秋の季語になっています。
「初めて秋の気立つがゆゑなれば也」暦便覧
「夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く」正岡子規
「木の間よりもりくる月の影見れば心づくしの秋は來にけり」古今和歌集
この日より夏の便りの「暑中見舞い」から「残暑見舞い」になります。
◆◆「七十二侯」◆◆
◆初候「涼風至」(りょうふう いたる)
◇涼しい風が立ち始める時節。
◆次候「寒蝉鳴」(かんせん なく)
◇ひぐらしが鳴き始める時節。寒蝉=ひぐらし。また、秋に鳴く虫をいいます。「かんぜん」とも読みます。
◆末候「蒙霧升降」(もうむ しょうごう)
◇深い霧がまとわりつくように立ち込める時節。蒙霧=もうもうと立ち込める霧。
◆◆「8月の花」◆◆
「向日葵」ひまわり、Sunflower 菊科・ひまわり属。学名「Helianthus(ヘリアンサス)」ギリシャ語の「helios(太陽)+anthos(花)」が語源。「太陽の花」の意。
原産地は北アメリカ。紀元前からインディアンの食用作物として使われていました。日本には、17世紀に伝来。開花時期7月10日~9月10頃。別名は、「日輪草(にちりんそう)」「日車(ひぐるま)」など。
花の形は太陽を思わせ、太陽の動きにつれて回ることから「日まわり」と呼ばれます。花首は、夕方には西を向いていますが、夜には向きを戻し、夜明け前には再び東を向きます。ただし、太陽を追いかけるのは、花首の柔らかい頃だけ。花が完全に咲いてからは、東の方向を向いたままほとんど動かなくなります。
ひとつの大きな花のように見えますが、「頭状花序(とうじょうかじょ)」といって、多数の花が集まってひとつの花の形を作っています。これは「キク科の植物」に見られる特徴です。
種は長楕円形。種皮色は油料用品種が黒色で、食用や観賞用品種には長軸方向に黒と白の縞模様があります。種は絞って「ヒマワリ油」として利用されます。ヒマワリ油には「不飽和脂肪酸」が多く含まれます。種子を煎って食用とすることも。また、ペットの餌に利用されます。
近年、ディーゼルエンジン用燃料(バイオディーゼル)として利用する研究も進められています。乾燥した種子を用いる生薬名は「向日葵子(ひゅうがあおいし、こうじつきし)」。
花言葉は「私はあなただけを見つめる」「あなたは素晴らしい」など。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
近年、梅雨が明けてもカラッとした暑さにはなかなかならず、蒸し暑い日が続く猛暑の夏です。局地的な豪雨も頻発して、各地で被害が出ています。夏休みの水の事故にもご注意ください。
夏バテで体調を崩しやすい季節です。
皆さま、体が資本です。お体ご自愛専一の程
筆者敬白