2024.05.20
5月

令和6年(2024)5月24~26日 神戸、湊川神社「楠公祭(なんこうさい)」です。

■5月24~26日 湊川神社「楠公祭(なんこうさい)」です。■

「湊川神社(みなとがわじんじゃ)」は、楠木正成(くすのきまさしげ、別名「大楠公」)を祀る神社で、地元では「楠公(なんこう)さん」と呼ばれ親しまれています。建武中興十五社の一社で、旧社格は別格官幣社。

楠木正成は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて河内に本拠地をおいた武将で、鎌倉幕府からは「悪党」と呼ばれていました。後醍醐天皇に応じて挙兵し、鎌倉幕府倒幕に貢献します。

「建武の新政」後の足利尊氏(あしかがたかうじ)の反乱で、九州から京都に向かう尊氏を摂津国湊川の地で迎え打ちました(湊川の戦い)新田義貞(にったよしさだ)らとともに戦うも、延元元年(建武3年)(1336)5月25日(新暦7月12日)に敗退し湊川で自害しました。

正成の墓は長らく荒廃していましたが、元禄5年(1692)になって徳川光圀(とくがわみつくに)「鳴呼忠臣楠子之墓(ああちゅうしんなんしのはか)」の銘を刻した墓碑を建立。以来、水戸学者らによって楠木正成は理想の勤皇家として崇敬され、幕末には維新志士らによって祭祀されるようになりました。

慶応3年(1867)尾張藩主・徳川慶勝(とくがわよしかつ)により楠社創立の建白がなされ、それを受けて明治元年(1868)明治天皇は「大楠公の忠義を後世に伝えよ」と神社を創建するよう命じ、明治2年(1869)墓所・殉節地が定められ、明治5年(1872)湊川神社が創建されました。

「楠公祭(なんこうさい)」は、楠木正成の命日5月25日を中心に開催されます。今から600年以上も昔、建武中興に功績を残した大楠公が、隠岐から御還幸の後醍醐天皇を神戸の地で迎え、京都へ先導した晴れやかな姿を偲んで「楠公武者行列」が行われます。26騎の騎馬武者、騎馬女房など全69役、総勢700名、全長約1kmの一大歴史行列です。

湊川神社
◇兵庫県神戸市中央区多聞通3-1-1
◇JR神戸線「神戸駅」徒歩7分
◇公式サイト:https://www.minatogawajinja.or.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

非常時には大義を尊重し、個よりも公を優先させなければ早期の解決、復旧、復興はありえません。
東日本大震災の際、福島の原発事故では、被曝する危険があるにも拘らず50人の技術者が自らの命も顧みず、復旧に専念したこと。こうしたことは、よくよく記憶しておかなければなりません。
「楠公祭」にあたり、明治大帝が「大楠公の忠義を後世に伝えよ」とした趣意を一寸ふり返りましょう。

皆様、季節の変わり目です。お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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