■5月8日「世界赤十字デー」です。■
ジュネーブ条約加盟の明治19年(1886)11月15日を記念して「赤十字デー」としていましたが、昭和23年(1948)以降は赤十字の創始者アンリ・デュナン(1828-1910)の誕生日5月8日にちなんで「世界赤十字デー」と変更されました。
1859年、第二次イタリア独立戦争のさなか、ロンバルディア地方のソルフェリーノが戦場となりました。当時、農業開拓のビジネスでソルフェリーノを訪れていたデュナン青年は、そこで4万人にのぼる死傷者を目の当たりにしたのです。
そのとき彼は「傷ついた兵士はもはや兵士ではない、人間である。人間同士としてその尊い生命は救われなければならない」という信念を抱きました。これが赤十字運動が始まるきっかけです。
赤十字のマークは、デュナンの祖国であるスイスの国旗の赤と白を反転させたものです。十字のマークは東洋では「福徳」を、西洋では「仁義」を意味するといわれています。
赤十字は「人道・公平・中立・独立・奉仕・単一・世界性」という7つの普遍的な原則のもと、世界最大のネットワークを駆使し行動する人道機関です。国境、宗教、人種を超えて、人の命の尊厳を守るため、様々な人道的活動を推進しています。
創始者デュナンは人道支援や負傷者の看護だけではなく、地球上から戦争をなくそうと決心したのですが、現在その願いは実現からはほど遠い状態で、まったく成就していません。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
振り返ると日本はたびたび災害や事故に見舞われました。阪神・淡路大震災、東日本大震災、原子力発電所メルトダウン、熊本地震、北海道胆振東部地震、平成30年豪雨などの災害時、赤十字は人道救援活動を続けてきました。寄付・救護など、災害が起こるたびに率先して活動しているにもかかわらず、赤十字の存在は目立ちません。「世界赤十字デー」を機に赤十字の活動や謂われを振り返ってみましょう。
季節の変わり目です。読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白