■2月12日 京都、伏見稲荷「初午大祭(はつうまたいさい)」です。■
「初午祭(はつうまさい、はつうままつり)」とは、稲荷大神が天界より天降りて、稲荷山の三ヶ峰に初めて鎮座した和銅4年(711)の最初の午の日を偲ぶ祭りです。2月の初の午の日を「初午祭」として、伏見稲荷大社をはじめ全国的に祭礼が行われます。
初午詣は、福詣とも呼ばれ、前日の巳の日から参詣者が訪れます。京洛初春第一の祭事とされています。授与される「しるしの杉」は商売繁盛・家内安全の御符として、古くから拝受する風習が盛んです。
今日「初午」といえば、年中で最も寒い時季に当り、時として節分の前にめぐり来ることすらありますが、古くは旧暦を用いていたので、節分前に「初午」が来ることはありませんでした。もう少し春めいた頃にめぐり、四季の移ろいを敏感にとらえ、その中に「もののあわれ」を見出した当時の人々は、「初午」にはこぞって稲荷社に詣でたものでした。『蜻蛉日記』や『枕草子』から、平安時代の初期、「初午詣」は老若男女がうち連れて郡参した様子が伺えます。
「伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)」は、全国4万社ある稲荷神社の総本宮です。主祭神に「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」を祀り、「佐田彦大神」「大宮能売大神」「田中大神」「四大神」を配祀します。式内社(名神大)、二十二社の上七社の一社で旧社格は官幣大社。
御神徳は「衣食住ノ太祖ニシテ萬民豊楽ノ神霊ナリ」(稲荷谷響記)、また「上ハ天子ヨリ下ハ萬民ニイタル幸福豊楽ノ神明ナリ」(十五箇條口授伝之和解)とあります。平安の昔から、稲荷山が民衆信仰の「お山」であり、今日では、商売繁昌・産業興隆・家内安全・交通安全・芸能上達の守護神として信仰をあつめます。
御神号は「イナリ」を「伊奈利」と記。イナリとは、イネナリ・イネニナルのつづまったもので、人間生活の根源であった「稲」によって、天地の霊徳を象徴した古語とされています。ちなみに「伏見」は「伏水」だったそうで、伏見の山にはたくさんの滝があります。
伏見稲荷大社
◇京都市伏見区深草藪之内町68
◇JR「稲荷駅」下車すぐ
◇市バス「稲荷大社前」下車 徒歩約7分
◇京阪電車「伏見稲荷駅」下車 徒歩約5分
◇公式サイト:http://inari.jp/