■1月27日 奈良「若草山焼き」です。■
毎年1月の第4土曜日に斎行される「若草山の山焼き」は、奈良市内を見下ろす若草山(標高342m)に火をつけ、山全体を燃やす奈良の一大行事です。若草山は3つの山が重なっていることから、「三笠山(みかさやま)」とも言われています。
早春を告げる「若草山焼き行事」の起源は、三社寺(春日大社・興福寺・東大寺)の記録によると、若草山山頂にある前方後円墳の鶯塚古墳(うぐいすづかこふん:最も高所に築造された前方後円墳で、全長103m、前方部幅50m、後円部径61mの規模)の霊魂を鎮める杣人(そまびと:きこり、木を切る仕事)の祭礼とされています。
春日大社、興福寺、東大寺の神仏が習合し、先人の鎮魂と慰霊、さらには奈良全体の防災と世界の人々との平安を祈るものです。
いろいろな説の中では……
・若草山を翌年の1月頃までに焼かなければ、翌年に何か不祥事件が起こるとされていた。
・若草山一帯をめぐる春日大社・興福寺と東大寺の領地争い。
・春の芽生えを良くするため、古くからの野焼きの風習を伝えたもの。
などなど諸説あります。現在は大きな観光イベントであり、同時に火災予防のための役割も果たしています。
山焼きは約600発もの大花火が、若草山一重目山頂で15分間、打ち上げられます。珍しい冬の打ち上げ花火として人気です。
打ち上げ花火のあと、法螺貝・ラッパの合図で33ヘクタールの山に一斉に火がつけられます。燃え盛る炎が奈良の冬の澄んだ夜空を赤く染め、山全体が浮かび上がる姿は壮観です。
◆◆若草山焼きタイムスケジュール◆◆
16:45 御神火奉戴祭(ごしんかほうたいさい):春日の大とんどより御神火をもらいうけます。
17:05 聖火行列出発:春日大社の御神火が、金峯山寺の法螺衆に先導され、山焼きに関わりの深い三社寺と奈良奉行所の役人など総勢約30名の厳粛な時代行列により、山麓にある野上神社まで運ばれます。
17:25 松明点火:春日大社の御神火を松明に点火します。
17:40 野上神社(のがみじんじゃ)祭典:御神火は野上神社到着後、かがり火に点火され、山焼き行事の無事を祈願する祭礼が行われます。続いて法楽として、興福寺、東大寺、金峯山寺の僧侶による読経の中、山麓中央の大かがり火に点火します。
18:15 大花火打ち上げ
18:30 一斉点火:奈良市消防団員約300名が、山麓中央の大かがり火から松明に火を移し、法螺貝、ラッパの合図で一斉点火します。
若草山焼き開催場所
◆若草山麓
◇JR・近鉄「奈良駅」から奈良交通バス「東大寺大仏殿・春日大社前」「春日大社表参道」下車、徒歩約15分
◇近鉄「奈良駅」徒歩約30分
◆春日野園地・浮雲園地
◇JR・近鉄「奈良駅」から奈良交通バス「東大寺大仏殿・春日大社前」「春日大社表参道」下車、徒歩5分
◇近鉄「奈良駅」徒歩約15分
◆若草山焼き行事公式ウェブサイト(若草山焼き行事実行委員会):https://www3.pref.nara.jp/yamayaki/
◆若草山焼き行事(奈良市観光協会):https://narashikanko.or.jp/event/wakakusayamayaki/