2024.01.03
1月

令和6年(2024)1月7日 福岡、太宰府天満宮「うそ替え・鬼すべ(うそかえ・おにすべ)」です。

■1月7日 福岡、太宰府天満宮「うそ替え・鬼すべ(うそかえ・おにすべ)」です。■

鷽替え(うそかえ)」とは、木製の「鷽(うそ)」〔※〕に昨年の罪や汚れ(すなわち嘘)を託して神前に納め、天神の誠心に変えて幸運をいただくという、新しい気持ちで本年を過すための迎春の神事です。

参詣者はそれぞれ小さな「木鷽(きうそ)」を手にして、注連縄で囲った斎場で「替えましょ、替えましょ」と呼び合いながら、相手かまわず木鷽を取り替え合います。頃合いを見計らって神官が群集の中に入り込み「金製の鷽」をいくつか渡します。この金鷽に当った者には、さらなる幸運が訪れるといわれています。

鷽(うそ)は、天神の使い鳥といわれます。木製の鷽は、ホオノキ(朴の木)で彫られた神縁品で、開運を授かるといわれます。木鷽は、神棚や床の間等にお祀りします。

うそ替え神事のあと、鬼すべ神事が斎行されます。「鬼すべ」は、寛和2年(986)道真公の曾孫にあたる大宰大弍大宰府菅原輔正(すがわらすけまさ)〔※〕によって始められたと伝わる神事です。

お祓いを終えた「燻手(すべて)」が集まり「鬼じゃ、鬼じゃ、鬼じゃ」と掛け声を上げながら、宰府の町の男達が繰り出します。
鬼すべ堂前に積まれた生松葉や藁に「忌火(いみび)」〔※〕が点火されると、一瞬のうちに炎と煙が夜空を焦がし、鬼を攻める燻手と、鬼を守る鬼警固(おにけいご)との攻防戦が始まります。
燻手は、大団扇で必死にあおいで猛煙を堂内へ送り込み、鬼警固は煙を避けようとテン棒で堂の壁を打ち破ります。堂内では神職が、堂外では氏子が鬼に煎豆(いりまめ)を投げ、卯杖(うづえ)で打ち、退治します。

日本三大火祭り〔※〕に数えられています。

※忌火(いみび):神道で「清浄な火」のこと。火鑽(ひきり:枯れたヒノキなどの板に棒をあて激しく揉んで摩擦で火を起こす道具)で熾し、神様への供物の煮炊きなどの神事に用いる。

※鷽(うそ):スズメ目アトリ科ウソ属に分類される鳥類。青灰色で、頭頂と尾、翼の大部分は黒い。オスはのどが桃色で美しく、飼い鳥にされる。ヒーホーと口笛のような声で鳴く。

※大宰大弍(だざいだいに):大宰府で、次官に相当する役職。長官に相当する役職は「大宰帥」と言った。

※菅原輔正(すがわらすけまさ):延長3年(925)-寛弘(かんこう)6年(1010)。平安時代中期の公卿(くぎょう)〔※〕、学者。菅原在躬(ありつね)の子、菅原淳茂(あつしげ)の孫。文章博士、大宰大弐、式部大輔(たいふ)、参議を歴任。長保5年正三位。円融天皇・花山天皇の侍読(じどく)〔※〕をつとめる。

※公卿(くぎょう):公家の中でも律令の規定に基づく太政官の最高幹部として国政を担う職位、すなわち太政大臣・左大臣・右大臣・大納言・中納言・参議ら(もしくは従三位以上(非参議))の高官(総称して議政官という)を指す。

※侍読(じどく、じとう):天皇の側に仕えて学問を教授する学者のこと。

※日本三大火祭り:日本三大火祭りに数えられる主な祭:
「道祖神祭り」長野・野沢温泉
「鞍馬の火祭」京都・由岐神社
「那智の火祭」和歌山・熊野那智大社
「鬼夜」福岡・大善寺玉垂宮
「松明あかし」福島・須賀川市
「向田の火祭」石川七尾市・能登島向田
「嵯峨お松明式」京都・清凉寺
「鬼すべ」福岡・太宰府天満宮

太宰府天満宮
◇福岡県太宰府市宰府4丁目7-1
◇西鉄太宰府線「太宰府駅」徒歩5分
◇九州自動車道「太宰府IC」「筑紫野IC」約15分
◇公式サイト:https://www.dazaifutenmangu.or.jp

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