■1月1日「修正会(しゅしょうえ)」です。■
「修正会(しゅしょうえ)」とは、諸寺院で行なわれる正月の法会(ほうえ)のことです。
奈良の東大寺では、正月七日に金堂大仏殿で悔過の法会が行なわれています。「悔過(けか)」とは、礼仏して罪過を懺悔(さんげ)し、天下泰安・風雨順時・五穀成熟・万民快楽等を祈願することです。
8世紀中頃に行なわれていた「吉祥天悔過(きっしょうてんけか)」がはじまりと伝わります。諸国の国分寺にも広まりましたが、国分寺の衰退と共に廃絶し、平安時代になると「薬師悔過(やくしけか)」などが修正会として諸寺院諸堂で盛んに行なわれるようになりました。
平安時代には、元日から7日間にわたって行なわれ、また、鎌倉時代になると大仏殿の主要な法会のひとつにもなりました。夜は舞楽が演じられるなど、厳粛で盛大な法会が営まれていましたが、戦乱の時代を迎え伽藍の多くを焼失するとともに、修正会も途絶えてしまいました。
現在行なわれている修正会は、江戸時代になって再興されたものです。正月七日に大仏殿で「初夜・後夜の法要」が行なわれます。
大仏の宝前には「笠餅」と呼ばれる壇供(だんく)が供えられます。これは修正会特有の供物で、三本の柱状に積まれた小餅の上に傘が覆うようなに大きな餅を乗せられています。
東大寺
◇奈良市雑司町406-1
◇JR・近鉄「奈良駅」から市内循環バス「東大寺大仏殿・春日大社前」下車
◇近鉄「奈良駅」から、ぐるっとバス「大仏殿前駐車場」下車
◇公式サイト:https://www.todaiji.or.jp