■12月21日「納めの大師」です。■
弘法大師空海を信仰する大師信仰は、高野山や四国八十八ヶ所霊場巡り、各地にある厄除けお大師さまなど、現代社会で各地に広まっています。
弘法大師は、承和2年(835)3月21日に入寂(にゅうじゃく)〔※〕したので、真言宗の各寺院では忌日の3月21日に御影供(みえく)〔※〕を行い、毎月21日を「縁日」としています。
「納めの大師」とは、その年の最後の弘法大師空海の縁日を指します。「終い弘法(しまいこうぼう)」「果の大師(はてのだいし)」などともいいます。
納めの大師の日には、商売繁盛を祈願し、境内には熊手、達磨などをはじめ様々な品を売る露天が立ち並びます。自然食、健康食品の市も立ち、わかめ、おひたし豆、乾し小魚類、川えび、山くらげ、乾燥いも、黒糖、漬物などの店がずらりと市を作っていて、参詣者が高年齢であることを物語っています。
※入寂(にゅうじゃく):肉体をもってこの世に現れた仏陀(お釈迦様)が涅槃(ねはん)に入ること。「示寂」「入滅」ともいう。または、徳の高い僧侶が死ぬこと。
※御影供(みえく):空海のご遺徳をしのび報恩感謝する法要。延喜10年(910)、東寺の灌頂院(かんじょういん)で始まった。
京都「東寺(とうじ)」の「終い弘法」は、北野天満宮の「終い天神(12月25日)」と並び称され、大変賑わいます。関東では「西新井大師」や「厄除け川崎大師」が有名で、前夜からたくさんの参拝者で賑わいます。
東寺(とうじ)
毎月21日は弘法大師の縁日とされ「弘法市(こうぼういち)」が開かれます。この市は俗に「弘法さん」と呼ばれて親しまれ、特に12月21日の「終い弘法(しまいこうぼう)」と1月の「初弘法(はつこうぼう)」は多くの人々でにぎわいます。
◆京都府京都市南区九条町1番地
◆公式サイト:https://toji.or.jp
西新井大師(にしあらいだいし)
「東京で最後の熊手市」が境内で開催されます。
◆東京都足立区西新井1丁目15-1
◆公式サイト:https://www.nishiaraidaishi.or.jp
川崎大師
境内の特設道場で、1年間ご利益をいただいたお護摩札、お守りに感謝をする「お焚き上げ法楽(おたきあげほうらく)」を捧げます。
◆神奈川県川崎市川崎区大師町4-48
◆公式サイト:https://www.kawasakidaishi.com
高野山金剛峯寺(こうやさん こんごうぶじ)
◆和歌山県伊都郡高野町高野山132
◆公式サイト:https://www.koyasan.or.jp
高野山金剛峯寺 東京別院(高輪結び大師)
弘法大師の御影を安置し、恩徳報謝のために厳修する法要「御影供(みえく)」を行ないます。
◆東京都港区高輪3丁目15-18
◆公式サイト:https://www.musubidaishi.jp