2023.12.10
12月

令和5年(2023)12月14日 東京高輪「泉岳寺義士祭(せんがくじぎしさい)」です。

■12月14日 東京高輪「泉岳寺義士祭(せんがくじぎしさい)」です。■

泉岳寺(せんがくじ)」は、曹洞宗の寺院で江戸三箇寺〔※〕のひとつ。慶長17年(1612)門庵宗関和尚(もんなんそうかんおしょう=今川義元の孫)〔※〕を拝請して徳川家康が外桜田(現ホテルオークラ近辺)に創立した寺院です。

寛永18年(1641)寛永の大火によって焼失。ときの将軍・家光が、毛利・浅野・朽木・丹羽・水谷・今川の6大名に命じ現在の高輪の地に再建させました。

浅野家と泉岳寺の付き合いはこの時以来のもので、赤穂浪士と浅野長矩夫妻の墓があることで有名です。

泉岳寺義士祭は年に2回行なわれ、春(4月1~7日)に墓前で読経供養が執り行われます。冬、赤穂義士の討ち入りの日である12月14日には、討ち入り装束を身に着けた人びとが吉良上野介邸跡地から泉岳寺まで行進するパレード「義士行列」があります。

本所松坂町の吉良邸へ討ち入った12月14日、全国各地で「義士祭」が行われ盛大な法要が執り行われます。なかでも兵庫県赤穂市の赤穂義士祭は、明治36年(1903)から続く赤穂市最大のイベントです。

今から約300年前(元禄15年(1703)12月14日(旧暦))に起きた一大事件「赤穂義士たちによる討ち入り」は、主君・浅野内匠頭の無念を晴らすため1年9ヶ月もの歳月が費やされました。見事に本懐を遂げた英雄たちの忠誠心は、当時から語り伝えられ今もなお国民的ロマンとして講談などで受け継がれています。年末になると「忠臣蔵」がTVの時代劇の主役です。

※門庵宗関(もんなんそうかん):1546~1621。太平山大中寺(栃木県)の11世建室宗寅和尚(義元の実弟)の高弟であり、今川義元の孫といわれます。ときの将軍たちにより江戸城に登城を請われ度々法問を聴取されたと伝わる。

※江戸三箇寺(えどさんかじ):
總泉寺(そうせんじ)東京都板橋区小豆沢
青松寺(せいしょうじ)東京都港区愛宕
泉岳寺(せんがくじ)東京都港区高輪
江戸時代に関三刹〔※〕の配下として江戸府内の曹洞宗の寺院を司った3箇所の寺院。江戸僧録、江戸触頭(ふれがしら)とも

※関三刹(かんさんさつ):江戸時代に関東における曹洞宗の宗政を司った3箇所の寺院のこと。
大中寺(だいちゅうじ)栃木県栃木市大平町西山田
總寧寺(そうねいじ)千葉県市川市国府台
龍穏寺(りゅうおうんじ)埼玉県入間郡越生町

泉岳寺
◇東京都港区高輪2-11-1
◇都営浅草線「泉岳寺駅」徒歩3分
◇JR山手線「高輪ゲートウェイ駅」徒歩7分
◇公式サイト:https://sengakuji.or.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

令和2年(2020)東京オリンピック・パラリンピック(コロナ禍のため2021年に延期)に合わせて「高輪ゲートウェイ駅」が暫定開業しました(本開業は令和6年度)。泉岳寺からは道なりに0.5kmほど。泉岳寺義士祭が高輪ゲートウェイ駅のシンボルのひとつになる日も近いことでしょう。
毎年12月になると、忠臣蔵、赤穂浪士が話題になります。年配者のなかには忠臣蔵といえば雪をイメージされる方もいらっしゃるでしょう。近年は歴史ファンが増え、女性の武将マニアが泉岳寺の赤穂浪士碑や赤穂浪士ゆかりの地を訪れるようになりました。
当時では徳川の御政道、現代では自民党政権による機密保持法の強行採決など、義憤に駆り立てられる人はいつの時代もいるものです。赤穂浪士のような従順な部下を自ら死に追いやるような社会にはなって欲しくないものです。
12月に入り木枯らしも吹き、マフラーや手袋が重宝する季節になりました。体調を崩しやすい季節です。
読者の皆様、時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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