■12月10日「納めの金毘羅」です。■
「こんぴらさん」の名で親しまれている「金刀比羅宮(ことひらぐう)」の総本宮は、四国・香川県琴平町にある琴平山(ことひらやま、「象頭山(ぞうずさん)」)の中腹に鎮まります。
御祭神「大物主神(おおものぬしのかみ)」〔※〕を祀り、古くは「琴平神社(ことひらじんじゃ)」と称しました。本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)〔※〕の影響から「金毘羅大権現(こんぴらだいごんげん)」と改称し、相殿(そうでん)に「崇徳天皇(すとくてんのう)」〔※〕を合祀しました。
その後、明治元年に神仏混淆(しんぶつこんこう)〔※〕が廃止され、元の神社に復り「金刀比羅宮」と改称して現在に至っています。
御祭神の大物主神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)の弟で、建速素盞嗚命(たけはやすさのおのみこと)の子です。大国主神(おおくにぬしのかみ)の和魂神(にぎみたまのかみ)〔※〕で、農業殖産、漁業航海、医薬、技芸などの神様として、全国の人々の篤い信仰を集めています。
毎月10日に月次祭が行われています。12月10日はその年最後の月次祭で「納めの金毘羅」と呼ばれます。
※大物主神(おおものぬしのかみ):大国主命(おおくにぬしのみこと)の別名で和魂(にぎみたま)の中の幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)と日本書紀に記されています。
※本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ):仏教が興隆した時代に生まれた神仏習合思想のひとつ。神は仏が世の人を救うために姿を変えてこの世に現われたとする説。法華経・大日経に基づいて説かれました。日本では、平安時代から各地の神社の本地仏が確定し、神仏習合が進められましたが、明治の神仏分離により衰退しました。
※神仏混淆(しんぶつこんこう):神道と仏教が融合し混淆(異種のものが入り混じること)されたこと。神仏習合(しんぶつしゅうごう)とも。
※崇徳天皇(すとくてんのう):元永2年-長寛2年(1119-1164)第75代天皇(在位:保安4年-永治元年(1123-1142))。諱(いみな)は顕仁(あきひと)。鳥羽天皇の第一皇子。母は中宮・藤原璋子(待賢門院)。譲位後、平安時代末期の保元元年(1156)に、貴族の内部抗争「保元の乱」で後白河天皇に敗れ、讃岐(香川県の旧国名)に流されました。配流後は讃岐院とも呼ばれました。
※和魂神(にぎみたまのかみ):御魂(みたま)には「荒魂(あらみたま)」と「和魂(にぎみたま)」があります。荒魂とは神の荒ぶる魂で、天変地異を引き起こし、人心を荒廃させて戦争へと駆り立てます。和魂とは優美で穏やかな魂で、自然の恵みをふんだんに与え、人類社会を平和に導く魂のことです。
金刀比羅宮(ことひらぐう)
◇香川県仲多度郡琴平町892-1
◇JR土讃本線「琴平駅」徒歩20分
◇琴平電鉄「琴電琴平駅」徒歩15~20分
◇「高松空港」車50分 → JR琴平駅
◇公式サイト:https://www.konpira.or.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
今年最後の10日月次祭です。12月10日を「納めの金毘羅さん」と呼んで特別な月次祭としています。
10日は世の中ではいわゆる「5、10日(ごとーび)」で、商売を生業にされている人びとは納品や集金、締日などで何かと気ぜわしい日です。
月次祭には不精で参詣出来なかった方も今日は参内しましょう。終わりよければすべてよしー
季節の変わり目です。お体ご自愛専一の程
筆者敬白