■11月18~19日「豊川稲荷、秋季大祭」です。。■
「豊川稲荷(とよかわいなり)」は、伏見稲荷大社、祐徳稲荷神社と並ぶ日本三大稲荷のひとつで、商売繁盛の善神として有名。曹洞宗の寺院で、正式寺号は「円福山豊川閣妙厳寺(みょうごんじ)」。
稲荷は鎮守として祀られる「荼吉尼天(だきにてん)」のことで、本尊は千手観音です。「荼吉尼天」が稲穂を荷い、白い狐にまたがっている姿から「豊川稲荷」が通称として広まりました。鎌倉時代、東海義易禅師の師・寒厳義尹禅師(かんがんぎいんぜんじ)が「宋」にわたった折、荼吉尼天の加護を受け、のちに鎮守として祀られるようになりました。
今川義元、織田信長、豊臣秀吉、大岡越前守忠相、渡辺崋山などの武人、文人達の篤い信仰を受け、庶民の間では商売繁盛、家内安全、福徳開運の神として全国に信仰が広まりました。年間数百万人の参拝者が訪れます。
「稲荷神社」としては京都の「伏見稲荷大社」を総本山としていますが、「豊川稲荷」は神社ではなく寺院です。信仰対象は稲荷にあるものの、伏見稲荷とは同一ではありません。また俗説に「平八狐」を祀っているとした説もあります。
豊川稲荷といえば「稲荷寿司発祥の地」です。豊川稲荷周辺の蕎麦屋など飲食店が稲荷詣での参詣者にと工夫したと伝わります。近年公開された『平成狸合戦ぽんぽこ』(スタジオジブリ)に出てくる「平八狐」(鈴木平八郎の化身)を祀っていることでも有名になりました。徳川吉宗が将軍になる前のお家騒動「狐の戦い」に出てくるのが平八狐との説もあります。
「秋季大祭」は、豊年感謝祭で、神輿渡御や稚児行列が賑やかに行われます。境内にある高さ10m、直径5mの一対の大提灯が掲げられるため「大提灯まつり」とも呼ばれます。
豊川稲荷
◇愛知県豊川市豊川町1
◇JR飯田線「豊川駅」徒歩5分
◇名鉄豊川線「豊川稲荷駅」徒歩5分
◇東名高速「豊川IC」から国道151号
◇公式サイト:https://www.toyokawainari.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
豊川稲荷は寺院で、伏見稲荷は神社です。なかなか区別は付きづらいものです。豊川稲荷には、たぬき、きつねにまつわる物語が数多く残っています。当時の人たちの自然に対する畏怖の念が、信仰になったのでしょう。
読者の皆様、時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白