■9月23日~10月2日「十方暮れ」です。■
「十方暮れ(じっぽうぐれ・じゅっぽうぐれ)」とは、干支を五行に配当したときに「相剋する(上下互いに尅(こく)する)」干支「甲申~癸巳」までの10日間のことをいいます。但し、丙戌と己丑の日は間日(まび)になります。
1日目……甲申=金尅木
2日目……乙酉=金尅木
3日目……丙戌=火生土(間日)
4日目……丁亥=水尅火
5日目……戊子=土尅水
6日目……己丑=土和土(間日)
7日目……庚寅=金尅木
8日目……辛卯=金尅木
9日目……壬辰=土尅水
最終日……癸巳=水尅火
十方暮れの「十方」とは、「天地八方」を指します。正確には四正(しせい)方位「東西南北」と、四隅(しぐう)方位「南東・南西・北西・北東」の八方位に「天地(てんち)」を合わせた十方位のことです。または「十方世界」ともいい私たちが右往左往する現実の世界、すべての方角に無限に存在する世界の全てのことを示します。
そして十方が「四方八方閉ざされた状態」を「十方暮れ」といい、旧暦の解説書には「途方に暮れるの語呂合わせ」と書かれています。または「十方暗」「十方闇」ともいいます。
それにしても、やはり「とほうくれ」と読みたくなるほど、うまくいかなくて「途方に暮れる」期間なのでしょう。十方が暗い(暮)ので、天気が良くない日が続きます。
◇◇◇十方暮れ心得◇◇◇
「十方暮れ」の暦の上での発祥は定かではありませんが、
五行説では相性の合わない日とされています。
この時期、雨が降っても大したことなく、降りそうで降らない曇りがちの(すっきりしない)天気が続きます。
転じて暗雲(問題)が立ち込めているが雨(解決)が降らないという中途半端な状態です。
なかなか進まないことに業を煮やして、一挙に事を起こしても逆効果です。
解決どころか反対にこじらせて損失を招く恐れがあります。
十方暮れ期間中は、あわてずに「過ぎるを待つ」が最大の解決方法です。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
二十四節気「秋分」でもうすぐ10月です。十方暮れの期間は手を尽くし、静かにじっと待つことも、問題解決です。静かにしていれば薄日が指すのがおのずと感じらるものです。十方に暮れるとは「人事を尽くして天命を待つ」の考え方を、暦に取り入れたのかもしれません。
皆様、「ないと思うな運と災難」、時節柄お身体ご自愛専一の程
筆者敬白