■5月1日「高岡御車山祭」です。■
「高岡御車山祭(たかおかみくるまやままつり)」は、慶長14年(1609)に前田利長が高岡に城を築いて町を開いた折に城下の町内の大町に与えたもので、祭礼の山車として奉曳きしたのが始まりと伝わります。
天正16年(1588)豊臣秀吉が京都の聚楽第に、後陽成天皇と正親町上皇の行幸を仰いだ時に使用された鳳輦の車を加賀藩初代藩主前田利家に下賜し、それが利長に伝わり、利長が高岡町民に与え、改装させたものと言われています。
高岡御車山は全部で7基。その構造は「地山」と「飾り山」に区分することができます。「地山」には、二重または三重台八車の4枚の車輪があります。この車輪は欅製の車軸でつながれ、車軸には轅(ながえ)が取り付けられ、これで曳き回す構造となっています。
古代信仰では、神は天上にあり、祭りに際して降臨を願うものとされていました。臨時に祭壇を作ってそれを依代として高いところから降りてきたのです。そして、一年の豊饒を祈る祭礼が終わると神はただちに帰っていきました。
御車山には、このような日本古来の神迎えの要素が備わっています。御車山の曳き回しは、降臨した神々の巡行を表現しています。古代信仰の形式を今に伝えています。
高岡御車山祭は、毎年5月1日に執り行われます。この日は、山町も含めた53か町により崇拝されている高岡関野神社の春季例大祭の日です。
高岡関野神社(たかおかせきのじんじゃ)の旧社格は県社で、単に関野神社とも呼ばれます。別名:高の宮。江戸時代迄は加久彌神社(神明社)・関野神社(熊野社)・高岡神社(稲荷社)の3社で、併せて関野三社と呼ばれていました。
祭神は、神明社に「国常立尊」「保食神」「天照皇大神」「三毛入命」、相殿に「素盞嗚尊」「加具土命」、熊野社に「伊弉冉尊」「事解男命」「速水之命」、稲荷社み「稲倉魂命」「稲荷大神」「菅原道真公」「前田利長公」を祀ります。
「高岡御車山」は重要有形民俗文化財に、「高岡御車山祭の御車山行事」は重要無形民俗文化財に指定されています。また、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
高岡関野神社
◇富山県高岡市末広町9-56
◇公式サイト:https://www.takaokasekinojinjya.com
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
GWの中で見物人や観光客が多く、高岡の人口は一時的にかなり増えるそうです。7基の山車も勇壮で一見の価値ありで見ものです。この時期に高岡にお出かけの方は紫外線にご注意!期間中は日差しが強いとの予報で、日焼け止めなどお持ちになって紫外線対策をしましょう。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白