◆二十四節気◆令和5年(2023)4月20日「穀雨(こくう)」です。◆
令和5年(2023)4月20日17時14分「穀雨」です。旧暦3月、辰の月の中気で、新暦4月20日頃。天文学的には太陽が黄経30度の点を通過するときをいいます。
穀雨(こくう)とは「百穀を潤す春雨」のことです。また、穀物の成長を助ける雨のことで、「暦便覧」には「春雨降りて百穀を生化すればなり」と記されています。
この頃は春雨のけむるがごとく降る日が多くなり、田畑を潤して穀物などの種子の生長を助けます。種まきの好機です。
雨が長引けばそれは「菜種梅雨(なたねづゆ)」です。菜の花の咲く頃の長雨のことで、これを「春霖(しゅんりん)」ともいいます。
穀雨の終わり頃に茶摘み唄に詠まれた「八十八夜」があります。
暦の上で春節、最後の二十四節気です。来月に入り5月の「立夏」からいよいよ夏の到来です。
■七十二候■
◆初候「葭始生」(よし はじめて しょうず)葦(あし)が芽を吹き始める。
◇水辺に葦※が芽を吹き出し始める時節。
※ヨシまたはアシ(葦、芦、蘆、葭)は、温帯から熱帯にかけての湿地帯に分布。「ヨシ」という名は、「アシ」が「悪し」に通じるのを忌んで、逆の意味の「良し」と言い替えたのが定着したもの。関東では「アシ」、関西では「ヨシ」が一般的。
◆次候「霜止出苗」(しも やんで なえ いず)霜が終わり稲の苗が生長する。
◇ようやく霜も終わりの頃となり、苗代では稲の苗が生長する時節。
◆末候「牡丹華」(ぼたん はな さく)牡丹の花が咲く。
◇牡丹が大きな花を咲かせる時節。華く(はなさく)=花が咲く。
■穀雨の頃の花■
ボタン(牡丹) 学名:Paeonia suffruticosa
ボタン科ボタン属の落葉小低木。または、ボタンの総称。
原産地は中国西北部。薬用として利用されていたが、牡丹の花が「花の王」として愛好されるようになった。当時は「木芍薬」と呼ばれていた。公的に制定した記録は見られないが、清国では1929年までは中国の国花であったとされる。
春牡丹:4~5月に開花する一般的な品種。
寒牡丹:春と秋に花をつける二季咲きの変種。通常は、春にできる蕾は摘み取り、秋にできる蕾のみを残し10月下旬~1月に開花。
冬牡丹:春牡丹と同じ品種を1~2月に開花するよう、特に手間をかけて調整したもの。
根の樹皮部分は「牡丹皮(ぼたんぴ)」として大黄牡丹皮湯、六味地黄丸、八味丸など漢方薬の原料になる。薬効成分ペオノールが消炎・止血・鎮痛などに効く。
「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」という美女の形容として使われる言葉がある。
花言葉は「王者の風格」
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
穀雨の時期、つい3週間前は花見で寒さの残る春でした。春の雨がこのまま梅雨に入るのでは……と思うような日が続きます。まさしく菜種梅雨のような雨です。
暖かくて、いい陽気になってきましたが、風の強い日は寒さを感じます。薄着でお風邪などお召しにならないようにお体ご自愛専一の程
筆者敬白