2021.12.27
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雑節・歴注・撰日

令和3年(2021)12月30日~1月10日 八専(はっせん)です。

■12月30日~1月10日「八専(はっせん)」です。

暦の上で十干:じゅっかん」※十二支:じゅうにし」※を「五行説:ごぎょうせつ「木火土金水※に当てはめると、干支ともに同じ気が重なるものが12日あります。そのうちの8日が「壬子~癸亥」の12日間に集中していて、特別な意味を持つ期間とされました。同じ気が重なることを「専一」と言いい、それが8日あることから「八専」と呼びます。八専の期間には同気の重ならない日が4日あり、これを「八専期間中の間日(まび)」※と呼びます。

1日目/壬子 =水水、 
←水の気が重なる(専一)

3日目/甲寅 =木木、  ←木の気が重なる(専一)
4日目/乙卯 =木木、  ←木の気が重なる(専一)
5日目/
丙辰 =火土、    間日(まび)
6日目/丁巳火火、   ←火の気が重なる(専一)
7日目/戊午 =土火、    間日(まび)
8日目/己未=土土、   ←土の気が重なる(専一)
9日目/庚申 =金金、  ←土の気が重なる(専一)
10日目/辛酉 =金金、 ←土の気が重なる(専一)
11日目/壬戌 =水土、   間日(まび)
12日目/癸亥 =水水、 ←水の気が重なる(専一)

八専の期間は天干:てんかん」※と地支:ちし」※が同じ気なので、気が偏って良い事はますます良く、悪いことは更に悪く傾きやすくなります。これは、振幅の激しい期間で、準備を怠らなかった人には良い結果が、場当たり的な対応をした人にはそれなりの結果が訪れます。

古代中国では、むしろすべてのことに良いとされていて「淮南子:えなんじ」には「専を以て干支(えと)に従えばすなわち功ありと記されています。八専の期間中は、天地が朦朧(てんちがもうろう)として、人間社会でもバランスが取りづらくなります。人間関係では些細なことで思わず亀裂が入ったりします。他にはギャンブルなど、努力が伴わない行動は避けましょう。

 



「八専」はもともと、築城・軍営・出陣・出兵には適さない日(凶日)として、戦争を司る軍略家の用いるものでした。一般には、家作・植樹・地ならしなどの建設的な事柄には良く。立ち退き・解体・廃棄など処理的な事柄や婚礼、蓄類の売買には良くない日とされ、仏事も避ける(忌む)とされます。また、八専期間中は雨が降る日が多いといわれています。八専始め「壬子=水と水八専終わり「癸亥=水と水」と水の気が始めと終わりにあるので、雨が多い期間とされています。



※十二支(じゅうにし):
二支(じゅうにし)とは、子(ネズミ)・丑(牛)・寅(トラ)・卯(うさぎ)・竜(龍)・未(蛇)・午(馬)・羊(ヒツジ)・申(サル)・酉(にわとり)・戌(犬)・猪(いのしし)の12種の動物を現す漢字のこと。同様に「十干:じっかん」※と組み合わせることで、60を1周期とする「干支:えと」を形成し、方角や時間、暦に用いられる。また、陰陽五行説と組み合わせることで卦(け)にも応用されるようになった。
※十干(じっかん):
木・火・土・金(ごん)・水の五行(五行)を兄(え)・弟(と)に分けたもの。年・日を現す。甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)十二支と組み合わせて使う。
※五行(ごぎょう)五行思想(ごぎょうしそう)五行説(ごぎょうせつ):
古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物は火・水・木・金・土の5種類の元素からなるという説である。また、5種類の元素は「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」という考えが方が根底にある。西洋の四大元素説(四元素説)と比較される東洋思想
※間日(まび):
八専のうち、癸丑・丙辰・戊午・壬戌の4日間を、八専の間日(まび)といいます。間日は八専の影響を受けづらい日です。八専は年に6回程あります。
※天干(てんかん):
十干(じゅっかん)とも呼ぶ。古代中国の数詩で時間と空間を現わすのに使用した。殷(いん)代(紀元前十五世紀~紀元前十一世紀)頃の甲骨文字に記載がある。五行の「木」「火」「土」「金」「水」が、陰陽それぞれに分かれたもので、「甲」「乙」「丙」「丁」「戊」「己」「庚」「辛」「壬」「癸」の十個に分けられる。
※地支(ちし):
十二支(じゅうにし)とも呼ぶ。「子」「丑」「寅」「卯」「辰」「巳」「午」「未」「申」「酉」「戌」「亥」の総称である(それぞれ音訓2通りの読み方がある)。十干を天干というのに対して、十二支を地支(ちし)ともいう。
※淮南子(えんんじ):
中国前漢時代の皇族で、学者でもある淮南王劉安(えなんおうりゅうあん・紀元前179年~紀元前122年)が、学者を集めて編纂させた思想書

◇◇◇◇編集後記◇◇◇◇
暮れから新年にかけての「八専」が終ると1月節「小寒」です。「八専」が終るとなぜか余裕ができます。この機会に新しい計画を立てるなど、八専の作用を存分に活用すれば、物事が確実に成就していきます。いわゆる「準備」、「事始め」の期間が「八専」と言えます。
難しい問題や逆境にある方が、ここで一大決心をすると、大自然が味方になって、良い作用が発現した例を数多く聞き及びます。

昨年から新年では爆弾低気圧の影響で、北海度や日本海側では豪雪でした。報道によると雪の影響で事故多発です。朝の地表の寒さもひとしおでアイスバーンです。日が沈む朝晩は急激に冷え込み、体調を崩しやすい時期です。
時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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