■12月31日「大祓え」です。■
「大払い:おおはらい」「大祓え:おおはらえ」とは、今年一年を通して日常生活で大きい小さい、または知らずのうちに犯した罪穢れや、先祖の犯した罪穢れを除去して、災厄を回避することです。
主に、6月晦日(末日)の「夏越の大祓え」、12月晦日(31日)の「年越の大祓え」を指します。
大宝律令(701)において正式に宮中行事となりました。朱雀門前の広場に親王、大臣以下在京の百官を集め、大祓えの詞を読み上げて万民の罪穢れを祓いました。
「神祇令:しんぎりょう」※には、毎年6月・12月の晦日に朝廷で天皇以下全官人・官人の家族までを対象として執り行なわれる「二季恒例大祓」と、諸国で臨時に執り行なわれる「諸国大祓」とが登載されています。現在は、宮中の内部や神社の行事として執り行なわれます。
心身ともに清らかな状態にし、新年に歳神(としがみ)をお迎えして、歳の霊(としのたま=餅)を神さまと共に食し、良い一年にするものです。穢れ(けがれ)とは、新年には瑞々しく張りのあった「気」が、だんだん「枯れて」いく=「穢れ」としたもの。生命力を補給するものと考えられています。
戦前の数え年による年齢は、年越の大祓えを済ませ、新年を迎えた時、歳神さまからひとつ歳を頂くのです。元旦には、歳旦祭が執り行なわれます。元旦の朝には、神棚にお供えをして一年の計を祈願します。
※神祇令(しんぎりょう):「大宝律令」「養老令」の一部で、神祇信仰に基づく律令制国家の公的祭祀の大綱を定めた公的祭祀の大綱を定めたもの。それまでまとまった規則として存在していなかったものを編纂したもの。
第一条・常典総則、第二条~第九条・四時祭祀、第十条・天皇即位、第十一条・斎戒・致斎、第十二条・大中小祀、第十三条・践祚(皇位継承)、第十四条・大嘗祭、第十五条・所司申官、第十六条・供幣饌、第十七条・諸社供幣、第十八条・晦日大祓、第十九条・諸国大祓、第二十条・神戸とそれぞれ規定されている。
中国には、「祠令」、朝鮮には「祭祀志」という似た律令が存在する。