■5月6日~「東京 下谷神社祭り」です。■
御祭神は、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)と大年神 (オオトシノカミ) を主祭神とする東京都台東区に鎮座する神社です。
下谷神社は奈良時代に創建され、都内で最も古い「お稲荷様」が発祥です。日本武尊は「智・仁・勇」を兼ね備え諸国を平定して御恩威を四方に輝かさいたと伝わります。大年神は天照皇大神(アマテラスオオミカミ)の御弟、素戔雄尊 (スサノオノミコト) の御子で五穀を主宰し、厚く産業を守護し商売繁盛と家内安全の御利益がある神様とされています。
5月中旬の「下谷神社大祭」は、江戸下町で最も早い夏祭りです。今年は本社神輿の渡御を行う「本祭り」※の年に当たります。
今年は「本祭り」に当たるため、日曜には「千貫神輿」と呼ばれている本社神輿が氏子29ヶ町の若衆延べ8千人によって朝6時15分より夕方6時半まで担がれ、本社神輿は、氏子区域を渡御します。
また下町独特の露天商の数も多く、期間中は130軒余が出展し祭りを盛り上げます。※本祭り、陰祭り:本社神輿の渡御を行う「本祭り」と町会神輿の渡御だけの「陰祭り」が隔年に行われています。下谷神社は偶数年が「例大祭」です。神田明神の神田祭りは奇数の年が「本祭り」です。
※下谷神社拝殿天井絵「龍」(横山大観画伯筆)
関東大震災によって社殿を焼失し、昭和3年(1928)現在の東京都台東区上野3丁目の地に移転する際、新築する拝殿には後世永く誇り得る如き立派な絵を天井に掲げたいという氏子一同の念願から、近代日本画壇の巨匠「横山大観:よこやまたいかん」拝殿天井絵を依頼しました。
そこで横山大観は線描を抑えた独特の「朦朧体(もうろうたい)」と呼ばれる没線描法で「龍」を描き現在も天井絵としてに展示されています。酒が好きの大観画伯は、「立派な社殿を造るのにさぞやお金が掛かっただろう。神様の事だからこれはそっくり奉納する。こんなお金持ってこなくていいから、もっと大勢で両手に酒ぶら下げて来い。」この時の大宴会が御礼の代わりになったと氏子社中に伝わります。朦朧体で描かれた「龍」の御神徳なのか不思議と東京大空襲では被害を受けませんでした。
※寄席の発祥:寛政10年(1798)に初代山生亭花楽が境内で寄席興行を行いました。これが江戸最初の寄席興行といわれてます。
※子規の句碑:江戸で始めての寄席「寄席発祥の地」をちなんだ句「寄席はねて 上野の鐘の 夜長哉」が刻まれています。正岡子規は明治27年(1894)から没するまで台東区根岸に住み、友人や門弟 たちと句会を開催して2000にも及ぶ俳句を詠みふけったとあります。台東区のは子規ゆかりの地11カ所に句碑が建立されています。
◆下谷神社:東京都台東区東上野3丁目29番8号
◆アクセス:JR山手線 上野駅 徒歩6分
地下鉄 銀座線 稲荷町駅 徒歩2分
大江戸線 新御徒町 徒歩5分都営
バス 下谷神社前 徒歩2分
◆HP/http://shitayajinja.or.jp/
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
今年は本来なら「本祭り」でそれなりの規模ですが、令和2年の今年は、延期が決まっています。1000年以上の歴史がある下谷神社の2年に一度の例大祭です。本社殿神輿渡御、連合神輿渡御、氏子神輿渡御が執り行われます。GW明けの週です。夏に向けてお神輿を担いで夏を乗り越えましょう。今年は浅草三社祭り、鳥越神社例大祭、日枝神社山王祭など江戸の祭礼が目白押しです。
季節は「立夏」「小満」の頃で最も過ごしやすい季節です。これからが本格的な夏です。体力をつけて夏を乗り越えましょう。
読書の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白