■11月24日(旧10月20日)旧「誓文払い」です。■
誓文払いの始まりは、旧暦 10月 20日の戎講(えびすこう)の日に、京都の商人や遊女が神罰を逃れるために京都の四条寺町(しじょうてらまち)にある四条京極の官(冠)者殿※に参詣し、商売上の駆引きで客を欺いた罪を払い神罰を免れるように祈った風習や行事のことです。
※官者殿、冠者殿(かんじゃでん):誓文返しの神で、天照大神(あまてらすおおみかみ)と素戔鳴尊(すさのおのみこと)の間に誓約(うけひ)が交わされたことに由来しています。または悪王子の社(やしろ)※ともいい、土佐房昌俊(とさぼうしょうしゅん/平安時代末期の僧・武将。?~1185)を祀るとも伝わる。この日、商人の身代りとなって垢離(こり)※をとる「すたすた坊主)※ともいって、江戸時代の天保期(1830~44)ころまでみられた独特な風習。
※悪王子の社(あくおうじのやしろ):素戔嗚尊 (スサノオノミコト)の荒魂※で、荒魂を祀る悪王子社(京都市下京区東洞院四条下ル西側元悪王子町)があった場所が町名として呼ばれるようになった。
※垢離(こり):神仏に詣でるときや祈願に先だって、水にて身心の罪穢を除き清めるための禊(みそぎ)の一種。水垢離(みずごり)、垢離掻(こりかき)などともいう。
※食坊主(こじきぼうず):金品をもらった物乞い。上方や江戸で、寒中、裸で縄の鉢巻をし、腰に注連縄(しめなわ)を巻き、手に扇と錫杖(しゃくじょう)を持って、銭五七文を串に貫き、わりかけの竹にはさんで振りならしながら「すたすた、すたすた、すたすたぼうずのくるときは、腰には七九のしめをはり、あたまにしっかと輪をはめて」などと歌いながら踊り、家ごとに立寄って物乞いをして歩いた坊主(僧侶ではない)。
※荒魂・和魂(あらたま・にぎみたま):魂には荒魂(あらたま)と和魂(にぎみたま)の側面があるとされ、和魂にはさらに幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)の二つの象意が現れるとされる。荒魂は荒ぶる魂で、勇猛果断、義侠強忍等に妙用され、神威(しんい)を畏(おそ)れるとされる。
誓文払いは10月20日の恵比寿祭を中心に行われる商家の蔵ざらえのことに変化しました。江戸時代になると京都・大坂の商店が安売りを行なったところから、のちには商店の売出し行事となり、京坂だけでなく全国に広がった。現在では日数も1週間程度に延長されており、時期も地域によりまちまちです。
誓文(せいもん)とは、神に誓う誓詞・起請文のこと。嘘偽りの罪を払い、神の罰を免れようとするのが誓文払いです。
誓文払いはもともと恵比寿祭とは別のものでしたが、同じ日に行われる為いつしか混同したものです。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
この日は商売上の嘘偽りや人を騙したりした穢れ(けがれ)を祓う日(はらうひ)とされています。不動産業は千に3つのホントで「千三つ:せんみつ」と呼ばれます。しっかりと誓文払いをしないといけませんね。
今暦の上で季節の変わり目です。体調を崩しやすい時期です。時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白