■11月2日(旧9月17日)「不成就日(ふじょうじゅび)」■
文字通り「万事に成就しない日」のことで、事を起こすには良くない日とされます。特に、結婚、開店、命名、移転、契約などによくないとされます。また、この日から諸芸始め、思い立ち、願い事もよくないとされています。
宣明暦時代には、会津暦で採用されていただけで、貞享暦(じょうきょうれき=貞享元年(1684)渋川春海により完成された暦)にも記載されていません。
しかし、文政13年(1830)に発行された「選日講訳」に「今世の人官版の御暦を用ひず六曜不成就日など用ゆるは暦乃有無を知らざるが如し」と書いてあることから、幕府の許可なしで出版された略暦などに記載されて、民間でひそかに用いられていたらしい。現在の運勢暦や開運暦のほとんどに記載されています。
不成就日の日取りは、月の十二支と、日の十二支の、五行の組み合わせを基準に八日間隔で配当されます。節切りではなく、月切り(旧暦の月)です。
◇◇◇◇編集後記◇◇◇◇
現代では、不成就日はあまり重要視されません。何事も成就しない日とされていますが、統計的なデータや科学的な根拠に基づく歴注ではありません。正確な謂れは今のところ定かではありません。現代社会では当たり前の月~日曜の7曜制が定着前には、不成就日を休業や休みの日にしたようです。ひと月に3~4回あります。
筆者敬白