■4月2日「岐阜、伊奈波祭」です。■
美濃国三宮「伊奈波神社:いなばじんじゃ」の旧社格は国幣小社。式内社「美濃国厚見郡・物部神社」に縁のある神社です。壬申の乱(じんしんのらん)※の際、天武天皇が戦勝を祈願したと伝わります。
垂仁天皇の第一皇子「五十瓊敷入彦命:いにしきいりひこのみこと」を主祭神に祀り、妃の「淳熨斗媛命:ぬのしひめのみこと」、母の「日葉酢媛命:ひばすひめのみこと」、外祖父の「彦多都彦命:ひこたつひこのみこと」、臣下の「物部十千根命:もののべのとちねのみこと」を配祀します。これらの神を「伊奈波大神」と総称します。
主祭神「五十瓊敷入彦命:いにしきいりひこのみこと」は、第11代「垂仁天皇」の長男で、第12代「景行天皇」の兄で古事記、日本書紀にも登場します。父親だった「垂仁天皇」から弓矢を賜り武事を治めたと伝わります。河内、大和、摂津、美濃など諸国に開拓された池や溝の数は、実に800にも達し、このため産業は盛んになり農事は豊かになって、天下は泰平であったと記されています。更に茅渟の川上宮にて剣1千を作り、これを石上神宮に納めて有事に備えていました。現在での内政、土木、軍事などあらゆる面で
手腕を発揮したといえます。
天文8年(1539)斎藤道三が稲葉山に稲葉山城を築城する際に現在地に遷座。この地にあった物部神社を合祀し、稲葉山城の鎮守としました。以降も岐阜の総産土神として篤い崇敬を受け、明治6年に県社に列格。昭和14年に国幣小社に昇格。
「伊奈波祭」は伊奈波神社の例祭で、岐阜市内の「金神社」「橿森神社」を始め市内の多くの神社の例祭と共同で行われ、商工祭の「道三まつり」も同期間に行われるため、岐阜市内は祭りムード一色になります。この期間に岐阜市内で行われる全ての祭りを総して「岐阜まつり」と呼びます。御神幸、山車奉曳、打上花火など、全市をあげてのお祭でたくさんの人出で賑わいます。
※壬申の乱(じんしんのらん):天武天皇元年(672):歴史上古代最大の内乱、天智天皇の太子・大友皇子に対し、皇弟・大海人皇子(後の天武天皇)が地方豪族を味方に付けて反旗をひるがえしたものである。反乱者である「大海人皇子」が勝利するという、例の少ない内乱であった。
伊奈波神社
◇岐阜県岐阜市伊奈波通1-1
◇JR「岐阜駅」、名鉄「新岐阜駅」バス約15分
◇伊奈波神社公式Web:http://www.inabasan.com/
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
伊奈波神社といえば2月の「手筒煙火奉納祭」が有名です。4月の第1週の岐阜まつり、伊奈波神社の例大祭が重なります。見どころは商会主催の「道三まつり」の鉄砲隊衣装は戦国の時代絵巻で当時を偲ばせます。
お花見、観光とお出かけにはいい季節になりました。お出かけの際にはお風邪などお召しにならないようお体ご自愛専一の程
筆者敬白