■2月1日(旧元旦)「島根、出雲大社 福神祭」です。■
八雲立つ出雲の国が神の国、神話の国として知られる出雲大社の御祭神「大国主大神:おおくにぬしのおおかみ=だいこくさま」は「天の下造らしし大神」と呼ばれます。
日本の国を国づくりされた大国主大神は、その国土を皇室の御祖先神である天照大御神に「国譲り」されました。そして、目に見える世界である「現世・うつしよ」は天照大御神が、目に見えない世界である「幽世・かくりよ=神々の世界・霊魂の界」は大国主大神が治めることになりました。
大国主大神は幽世にて「幽(かく)れたる神事」を司り、目に見えない様々な「ご縁」を結ばれる大神として八百萬の神々と共にお話し合いをなさるのです。
大国主大神といえば「縁結びの神さま」といいますが縁結びとは単に男女の仲を結ぶことだけでなく、人間が立派に成長するよう、社会が明るく楽しいものであるよう、すべてのものが幸福であるようにと、お互いの生成のためのつながりが結ばれることです。
「むすび」の御神徳とは、子供の幸福を願って教導保護する親のように、大国主大神が私たち人間の幸福の縁を結んで下さることです。
「福神祭」とは、旧正月元旦にあたる日に参拝者が神楽殿大広間に「お籠もり」をして、旧正月を大黒様の御許で迎えるという神事です。
福神祭がお仕えされる午前1時は「子(ね)の刻」で、「子」は干支の始まりです。子の意は、種子が新しい生命を宿して芽吹きはじめることから。物事のはじめであり、生きとし生けるものの生命のはじまりの子の刻に、この年の「福縁」が祈られます。
福神祭が終わるや否や、神楽殿内では「紙垂取り」が始まり、殿内に張り巡らされた注連縄の紙垂を競ってもらい受けます。この紙垂は竹の先につけて田畑に立てたり、神棚にお祀りすると五穀豊穣・家内安全などの福縁を招くとされています。
その後「純金福神御像」などが当籤する福授け抽籤が行われ、殿内は興奮と熱気に包まれます。
出雲大社
◇島根県出雲市大社町杵築東195
◇一畑電鉄「出雲大社前駅」徒歩7分
◇公式HP:http://www.izumooyashiro.or.jp/