2022.01.01
1月
雑節・歴注・撰日

令和4年(2022)1月4日 初巳(はつみ)です。

■1月4日「初巳(はつみ)」です。■

10_16.jpg弁財天の縁日は「巳の日」です。特に1月最初の巳の日を「初巳」「初弁天」といって賑わいをみせます。
この日、米銭を紙に包んで封じておくと金運に恵まれるといわれています。
 

「弁才天」は仏教の守護神である天部の1つです。ヒンドゥー教の女神「サラスヴァティ」(Sarasvat?)が仏教あるいは神道に取り込まれた呼び名で、経典に準拠した漢字表記は本来「弁才天」です。日本では「才」が「財」に通じることから「財宝神」としての神格が加わり「弁財天」と表記する場合も多く見られます。

181228_10.jpg「サラスヴァティー」の漢訳は「辯才天」。後に「辨財天」とも書かれるようになりました。「辯」と「辨」とは同音ですが、意味は異なる漢字であり、「辯才」(=言語・才能)、「辨財」(=財産をおさめる)を「辯財」「辨才」で代用することは出来ません。

戦後の当用漢字の制定により「辯」と「辨」はともに「弁」に統合されたので、現在は「弁才天」または「弁財天」と書くようになりました。
 「弁天」「妙音天」「美音天」とも称され、弁才天(弁財天)を本尊とする堂宇は「弁天堂」「弁天社」などと称されます。

弁才天は本来インドの神で、古くから崇められた三つの聖河の一つ「サラスヴァティー河の化身」で、神話では河の中で最上のもので、女神のうちで最上のものであるとされています。

日本では神道の神とも見なされ、河の流れる音からの連想から音楽神とされ、福徳神、学芸神、弁才の神となり、その後仏教において、福智・延寿・除災・得勝を司る福徳神として「七福神」の一員となっています。

仏教においては「妙音菩薩:みょうおんぼさつ」と同一視され、「宗像三女神」と同一視されることも多く、古くから弁才天を祭っていた社では明治以降、「宗像三女神」又は「市杵島姫命:いちきしまひめ」を祀ります。
日本での弁才天信仰は奈良時代に始まり、東大寺法華堂に安置される八臂の立像が日本最古とされます。「銭洗弁天」として現世利益の神、また七福神として信仰を集めてきましたが、江戸時代の頃から銭洗弁天の信仰が盛んになるにつれ「才」を「財」に変えて「弁財天」と表すことが多くなっていきました。

181228_11.jpg宝冠を被り青衣をつけた美しい女神は、左手に弓・刀・斧・絹索を、右手に箭・三鈷戟・独鈷杵・輪を持つものもあり、ヴィーナ(琵琶に似た楽器)を弾ずるという。

安芸の宮島大和の天川近江の竹生島相模の江ノ島陸前の金華山「五弁天」と称します。

鎌倉の「銭洗弁天」(正式には宇賀福神社)では、境内奥の洞窟内の湧き水で銭を洗うと、数倍になって返ってくるとされています。

日本各地に存在する「弁天島」は、弁才天信仰に由来する島名です。海難避けや豊漁を祈願する漁師たちの守り神として、日本各地の沿岸の小島に祀られてきました。
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■七福神(しちふくじん)とは、福をもたらすとして信仰されている七柱の神です。
恵比寿◆「大漁追福」の漁業の神。時代と共に福の神として「商売繁盛」や「五穀豊穣」をもたらす、商業や農業の神となりました。
大黒天◆ヒンドゥー教のシヴァ神と、日本古来の大国主命の習合。大黒柱と現されるように、食物や財福を司る神となりました。
毘沙門天◆ヒンドゥー教のクベーラ神。仏教の神のヴァイシュラヴァナ(多聞天)になり、日本では毘沙門天と呼ばれます。
弁才天◆七福神の中の紅一点。ヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティー神。七福神の一柱としては「弁財天」と表記されます。
福禄寿◆道教の宋の道士、または、道教の神で南極星の化身の老子である「寿老人」の別名または同一神とされます。
寿老人◆道教の神で南極星の化身の老子。
布 袋◆唐の末期、明州に実在したと伝わる仏教の僧。

◇◇◇ 編集後記 ◇◇◇
己巳や庚申は現代社会では迷信の域にはいってしまった暦注です。自身の戒めにその謂れを振り返ってみることも、心の栄養で余裕の一つです。
正月が過ぎ小寒を越すと、ますます寒くなります。職場や学校でコロナの変異種オミクロン株やインフルエンザの流行が懸念しています。
お風邪などお召しにならないようにお体ご自愛専一の程
筆者敬白

 

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