■8月16~22日「千葉だらだら祭り(妙見大祭)」です。■
「千葉神社:ちばじんじゃ」は、千葉氏(ちば=下総国の豪族)の守護神である「妙見菩薩」を本尊とする寺院「千葉妙見宮」として建立されました。千葉氏の祖・平忠常の子覚算大僧正によって伽藍が整備されたと伝わります。
以降、千葉宗家のみならず千葉氏一族の信仰篤く、千葉氏宗家の元服は代々この寺で行われました。また、千葉常胤の案内で同寺を参拝した事で知られる源頼朝からも手厚く保護されていました。
天正19年(1591)徳川家康が関東に入部。この寺を参詣して寺領安堵ならびに太刀一振を寄進し、同時に朱印地二百石と十万石の格式が与えられました。
江戸時代までは「北斗山金剛授寺尊光院」と称する真言宗の寺院でしたが、明治の神仏分離によって神社となり、本尊も祭神に改められました。しかし「妙見菩薩」と「天之御中主大神」は長年神仏習合によって同一とみなされてきた経緯があり、「妙見信仰」の中心とされていることには変わりありません。
主祭神の「北辰妙見尊星王」(天之御中主大神)は、天の中央を定位とする「北辰」すなわち「北極星と北斗七星」の神霊で、諸星諸神・方位方角を支配する星王と讃称されます。その絶大なる霊力を人間界に投射することにより、人間の星(運命)や全方位を守護・掌握する神霊であるとの特徴的信仰が生まれました。
道教・陰陽道や易学・九星気学・風水学の根幹となる特殊神として、あらゆる守護能力を発揮する神様として広く尊崇されています。
妙見尊の善星皆来・悪星退散の御神力の発現による自己の星への好影響を願う。運気好転、向上、維持や、方位・家相・建築に関する災禍の消除、悪神の八方からの侵入による貧・病・争の消除などを願う。厄年祓・星厄消除・開運招福・八方除・方位除などの祈祷を受ける人が後を絶ちません。
また、プロの易占家たちが自身の開運と隆盛を願って昇殿されるばかりでなく、易占家の鑑定を受けた多くの人々が祈祷を受けているようです。
毎年8月16~22日に行なわれる「例祭」では、大治2年(1127)より続く古式に則った勇壮な神輿渡御が行なわます。御輿の先導を務める大太鼓が「二段打ち」という特殊な叩き方をするのですが、その音が「だらん、だらん」と聞こえることから「だらだら祭り」と呼ばれます。
この祭礼は「何か一言願をかければ、その願いは必ずや達成される」と伝わり「一言妙見の祭礼」ともいわれ、願を掛ける人々で賑わいます。参拝の後、縁起物の「ねがい鳥・かない鳥」を求めます。
千葉神社
◇千葉県千葉市中央区院内1-16-1
◇JR「千葉駅」徒歩10分
◇京葉道路「穴川IC」10分
公式HP:http://www.chibajinja.com/
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
妙見菩薩の妙見宮としての発祥です。近年パワースポットブームで、一部の方々からは、千葉神社もパワースポットだと紹介されています。
幕末の明治維新を成し遂げた幕末の志士の中に、妙見信仰が根ざしていたという研究がありました。妙見信仰は庶民に根ざした信仰だったようです。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白