■8月15日「末伏(まっぷく)」です。■
三伏の最終回です。「初伏:しょふく」・「中伏:ちゅうふく」・「末伏:まっぷく」の3つを総称して「三伏:さんぷく」といいます。陰陽五行説に基づく選日で、日本最古の「具注歴」にも記載された暦注です。
夏至以降、第3回目の「庚の日」を「初伏」、4回目の庚の日を「中伏」、立秋以降の第1回目の庚の日を「末伏」とする方法が一般的です。
また、夏至以降の第3.4.5の庚の日をそれぞれとする方法、さらに6月節小暑後の第1.2.3をそれぞれとする方法があります。いずれも、起算日が庚の日ならばその日を第1日目とします。
五行説で「庚:かのえ」は「金の兄」で「金性」です。夏は「火性」が盛んですから、金は火に伏せられて(火尅金)この日を「凶」すなわち善くない日とするのです。
この日は、種蒔き・療養・遠行・婚姻・男女の和合などは慎むべき日とされています。
新暦では、7月中旬から8月上旬にかけて三伏が入ります。この頃は酷暑期にあたるため「三伏の候」「三伏の猛暑」などと手紙の前文に書かれるなど、酷暑の候を表す言葉として現在も用いられています。
韓国では、この時期を「三伏暑:さんぼつ」と呼んでいます。韓国では日本での「土用の鰻」同様、犬肉や参鶏湯を食す風習があります。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
暦の上では秋ですが、酷暑のなかです。日本に「土用の丑の日」には鰻を食して滋養を保とうとします。中国をはじめ東洋では、「三伏」の日は滋養を付けて、夏を乗り切ろうといた暦の上の叡智といえます。肉が貴重だった時代から「三伏の日」には、動物の肉を食する習慣があります。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白