2022.07.02
7月

令和4年(2022)7月5日 栄西禅師忌 献茶式茶会です。

■7月5日「栄西禅師忌」です。■

kt15_26.jpg明菴栄西:みんなんえいさい」は、日本の臨済宗の開祖。建仁寺の開山。天台密教葉上流の開祖でもあります。また、中国から「茶種」を持ち帰って、日本において栽培を奨励し、喫茶の習慣を普及した事はあまりにも有名。諡は「千光国師」、「葉上(ようじょう)房」とも。

永治元年(1141)吉備津宮(現在の岡山県岡山市、吉備津神社)の権禰宜賀陽貞遠の子として誕生。8歳で「倶舎論」「婆沙論」を読んだと伝わります。
 
「倶舎論」とは、インドの仏教論書「阿毘達磨倶舎論:あびだつまくしゃろん」、「婆沙論」=仏教の注釈書の1つ「阿毘達磨大毘婆沙論:あびだつまだいびばしゃろん」のことです。

120613_24.jpg14歳で「比叡山延暦寺」にて出家得度。若き栄西は、仏教の源である宋へ渡り、大陸の仏教正法を学んで日本仏教の誤りを正したいと強い願いをもっていたようです。以後、延暦寺、吉備安養寺、伯耆大山寺などで「天台宗」の教学と「密教」を学びます。行法に優れ、自分の坊号を冠した「葉上流」を興します。


曹洞宗の開祖「道元」は、栄西とは孫弟子の関係。道元は栄西を非常に尊敬していました。日本最古の禅寺「聖福寺」は、建文6年(1195)栄西が宋より帰国した際に創建されました。

◇喫茶養生記◇
栄西」は日本に茶の生産を広め薬効を記した「喫茶養生記」承元5年(1211)に著します。この書物は茶の薬効から栽培適地、製法が記されています。

お茶の効能について記した最古の記述は、鎌倉時代の記録書として有名な「吾妻鏡」。建保2年2月の条に、将軍実朝が宿酔(二日酔い)の際、栄西禅師から茶とともにこの書を献ぜられ、試したところたちまち治癒されたと伝えられています。このことによって、上流階級の間で茶がもてはやされました。

120625_21.jpg栄西は、建保3年(1215)7月、寿福寺にて享年75歳で病没しました。来たる平成26年(2014)は栄西禅師八百年大遠諱の年に当たります。建仁寺では禅の礎を築いた栄西禅師への感謝と、絶えることのない禅の未来を願い「開山栄西禅師八百年大遠諱法要」を厳修するとあります。

建仁寺開山忌
◇ 京阪「祇園四条駅」徒歩 7分
◇ 阪急「河原町駅」徒歩10分
◇建仁寺HPhttp://www.kenninji.jp/

◇◇◇◇編集後記◇◇◇◇
110702_1.jpg臨済宗の開祖、京都の建仁寺を開山した栄西は中国の宋からお茶の効能と製法を持ち帰ります。仏教正法を唱える栄西はひどい中傷と迫害を受けたとあります。現代の日本でも、このような迫害は相変わらず続いています。
読者の皆様、栄西のようにくじけない心を持ちましょう。日々の喧噪の中でも、こころ穏やかな臨済宗の開祖栄西がその実、激高する激しい方だったとはつゆも感じません。
心の中に熱い信念を持ちましょう。
筆者敬白

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