■11月28日「天一天上(てんいちてんじょう)」です。■
「天一天上:てんいちてんじょう」とは、癸巳~戊申の16日間をいいます。 今回は11月28日~12月13日にあたります。
「天一神:てんいちじん」という方角神が天上に行ってしまい、悪さをしない佳日とされ、天一天上の間は天一神の祟りがなく方角の禁忌はなくなるので、どの方角へ出掛けるにも良しとされました。特に縁起を担ぐ相場師に利用されたといわれています。
そのかわり、この期間中は日遊神が地上に降りて家の中に留まります。屋内の汚れた人家には祟りをするといわれていますから、清潔にしておかなければなりません。
天一神は方角神のひとつで、中神(なかがみ)ともいい、地星の霊で荒神です。天と地の間を規則正しく往復し、四方八方を巡り、人の吉凶禍福を司ります。
天一神のいる方角を犯すと祟りがあるとされ、神の滞在する方角を「塞がり」といってこの方角を犯すことを忌み、このことを「物忌み」といいます。その方角に真っ直ぐ向かうことは禁物で、どうしてもその方角に行かなければならない時は「方違え」をします。
「天一神の遊行日」
■乙卯から5日間…卯(東)
■庚申から6日間…巽(南東)
■丙寅から5日間…午(南)
■辛未から6日間…坤(南西)
■丁丑から5日間…酉(西)
■壬午から6日間…乾(北西)
■戊子から5日間…子(北)
■己酉から6日間…艮(北東)
この期間この方角に、天一神が天上から降りてきて下界八方を巡って過ごしますから、この方角を忌み、この方角に向かっての出産、争い事、殺生、弓を射ることなどを忌み嫌うのです。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
人間が大自然を怖れて、自然と共に生きている時代に、経験的に感じ取った歴注です。また、天一天上は現代では迷信だと、見過ごされしまう暦です。その昔ITが発達していなかった頃、日遊神の祟りからのがれるために綺麗にするところから転じて、株や相場にとって、天一天上は再考する時期とされていました。
4日後には12月です。本格的な冬に入ります。12月の慌ただしさもこれからです。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白